重要 2024年1月4日以降のドロップインのご利用につきまして

6Fを増床してレンタルオフィスと貸し会議室を大宮駅東口に作る経緯は、コワーキングスペース7Fが順調だからではなくて、そのタイミングが来たから、と思っていることを書いてみる。

こんにちは。埼玉県さいたま市の大宮駅東口の徒歩1分の場所でコワーキングスペース7Fを運営している代表者の星野邦敏です。

このブログ記事は、「アドベントカレンダー」という12月1日から25日まで25記事のブログ記事をリレー形式で繋ぐというインターネット上のイベントが最近ありまして、その中で、コワーキング Advent Calendar 2015 – Adventarという「コワーキング」に関するブログ記事のリレー記事として書いています。
本来は、初日の12月1日に書かなければいけない記事だったのですが、このところ、地方創生や地域活性化の議論や施策が盛んなのか、地方都市の大学や役所や民間企業主催のイベントに呼ばれて講演をしに行ったり等の外出の機会や、師走ということもありましてIT側の事業だったりコワーキングスペース側も業務が忙しかったり、そして何より7Fだけでなく6Fもテナントとして借りて増床することになりまして6Fで色々と決めることが佳境に入っていまして、言い訳にはなりませんが、3週間ほど遅れての公開になりまして、東京の茅場町のコワーキングスペースCo-Edo田中さんにFacebook上などで事あるごとにツッコまれまして、申し訳ありませんでした。

ちなみに、バトン形式ということで、今更ですが、私が12月1日に書いていたとして、次の12月2日担当のコワーキングスペース茅場町Co-Edoの田中さんの記事は、以下となります。
コワーキングスペースの『敷居が高く』感じる人のための使い方をまとめてみました
相変わらず熱くて、とりあえず、『トップバッターの大宮のコワーキングスペース7Fオーナーの星野邦敏さんよりバトンを受けました。って、あれ?まだ星野さんの記事が書かれてない(笑)』まで読んだところです。

また、今回は、コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015 – Adventarという「コワーキングスペースの運営者」に限定したブログ記事のリレー記事もありまして、こちらは、私、12月25日の最終日に書くことを予定しています。さきほどのコワーキングスペース茅場町Co-Edoの田中さんは、
無料のコワーキングスペースにはなぜ人が集まらないのか(仮)
というこれまた熱そうな記事を12月10日に書いていて、こちらもとりあえず、『毎年恒例のアドベントカレンダーは「コワーキング Advent Calendar 2015」でして、トップバッターの大宮のコワーキングスペース7Fオーナーの星野邦敏さんは全国飛び回っているのでとてもお忙しくトップバッターなのにまだ書けてないみたいですが、こちらも同時進行しております。』まで読んだところです。

さて、本題に入る前に1000文字くらい前置きを書きまして、ここから本題に入りますが、

まず、コワーキングスペース7Fは、2012年11月27日にプレオープン、2012年12月1日に本格オープンしていますので、ちょうど3周年が過ぎまして、4年目に入りました。
不動産の賃貸借契約の更新は2年または3年を原則としている建物が多いと思いますが、私達が借りている大宮の銀座ビルは事務所物件ということで3年更新の契約となっていまして、無事にその丸3年が過ぎて、契約更新となりました。不動産の賃貸借契約の更新のタイミングで、店舗運営を続けるかどうか意思決定をする場合もあると思います。私も、3年前の当時は地方都市にコワーキングスペースは少なく、あらゆるシュミレーションをしましたが(コワーキングスペースを始める前のシュミレーションについて話している動画も残っています「ヨリミチラジオ 中谷よしふみさんと星野邦敏さんの対談 (4/7)」)、正直そのシュミレーション通りに行くのか読めませんでした。もともとIT事業をしてきて、仮に売上がゼロに近い状態でも3年は続けられるキャッシュはあったので、どうなるか分からないけれども、仮に誰も来なくても広すぎるオフィスを借りちゃったなと思うようにして、次の契約更新までの3年間はまずは閉店せずに続けてみよう、というところからのチャレンジでしたので、不動産の賃貸借契約の更新をして4年目を迎えられたのは、当時を思い出しますと一つの区切りを越えて継続できる運営体制に出来たということで感慨深いです。

そして、
コワーキングスペース7Fは、すぐ下のフロア6Fを増床することが決まりまして、シェアオフィス(レンタルオフィス)と貸会議室(イベントスペース)を行う予定です。
増床に伴い、レンタルオフィスと貸し会議室を作るために設計図面を検討中です。
などにも書いているのですが、
コワーキングスペース7Fの下のフロアである6階にテナントとして入っていました島村楽器さんが向かいの大宮ラクーンというビルに移転したことから、6Fが空きまして、7Fから増床する形で私達がテナントとして賃貸することになり、運営することになりました。

この点、コワーキングスペースを純粋に1フロア増やす、ということではなくて、増床部分はレンタルオフィスと貸し会議室にする予定です。コワーキングスペースを持っている前提で、そのすぐ下のフロアでレンタルオフィスと貸し会議室を行うのは親和性もあるかと思っています。
後ほどにも詳しく書きますが、まず、コワーキングスペースを3年運営してきて、ドロップイン利用者(一時利用の人)は地域の人や学生なども多く居ますが、100人を超える月額会員さんの多くは、これから起業する人か、起業したての人か、長年フリーランスをしている人で、3年運営しますと、上手くいって大きくなって出て行く人や、逆に上手くいかなくてクローズした人も、当然に出てきます。私も起業当時、約8年前に東京都北区営のインキュベーション施設「ネスト赤羽」に約3年入居していました。同じ時期にいた事業者は約20事業者いましたが、その一部は既に当時の屋号や会社として活動はクローズしています。一方で、大きくなっている会社も知っています。私の会社自身もネスト赤羽を出た後、拡大に伴い2回オフィス移転して今に至っています。この時、成長ステージに乗った人に対して、コワーキングスペースを起業の小学校と位置付けたとしたら、起業の中学校くらいまでは用意できたらとは思っていました。それはサービスオフィスのようなソフト面もそうですが、ハード面としては個室であったり、ちゃんとした会議室だったり、というところでしょうか。また、気が付いてはいましたが、「コワーキングスペース」というキーワードは現在においてもニッチなキーワードであり、このような区切りの無い形のオープンな空間提供はイメージの沸かない人というのも多くいます。特に地方都市に行けば行くほどそうなのではないでしょうか。同じように起業していても、その利用者属性が異なることも感じています。ただ、これは相交えないというわけではなくて、その交流によって生まれるものもあると思っています。コワーキングスペース7Fの月間延べ利用者数は約2500人ですが、コワーキングスペースではリーチできない層にもリーチできればと考えています。

従いまして、表現としましては、今回の6Fにレンタルオフィスと貸し会議室を作るというのは、単なる「増床」ではなくて空間提供として「拡張」や「成長」という風に考えています。

そして、ここが重要ではあるのですがニュアンスとしてお伝えするのが難しいところではあるのですが、コワーキングスペース7Fが順調だから増床するわけではありません。もちろん順調でないと増床するフェーズにはならないわけですが、どちらかというと、そういうタイミングが来るか来ないか分からないけれども、もしタイミングが来た時のための準備はしてきていて、そして、そのタイミングが来たので増床するということです。つまり、仮に順調であったとしても、タイミングが来なければ出来ない、少なくとも出来づらい、と考えているというところでして、今回はその実行に移せるタイミングにあるという判断です。
この点、約10年前にIT事業として起業して、約3年前からは並行してコワーキングスペース運営事業をしてきて、ゼロから創業してきた人間としましては、資金的にも人材的にも時間的にもリソースに限りがある状態から何か新しいことを始めるとなると、虎視眈々とタイミングを伺ってそのために準備を色々としてきても、リソースを投下してしかも継続できる何かを見つけるタイミングというのは、準備をし続けていても2・3年に一度くらいしかその機会は来ない気がします。

例えば、コワーキングスペース7Fは、2012年11月27日にプレオープン、2012年12月1日に本格オープンしていますので、ちょうど3周年が過ぎたのですが、実は、私達のコワーキングスペース7Fのある大宮の銀座ビルは、私達コワーキングスペース7Fが入る前は、7階建てと地下で8フロアのうち3フロアが空いているビルでした。私達がテナントとして入った7階も、現在は新生銀行グループにあるレイクさんが移転してからの数年間はテナントが入っておらず空いていたと聞いています。
しかし、コワーキングスペース7Fが入ってから1年で、他の2フロアのテナントも埋まりまして、この2年間は銀座ビルは満室となっていました。銀座ビルのビルオーナーは商店街会長をしていたりと街の活動に対しても理解があり、コワーキングスペースという言葉も3年前の当時に知っていて、そういう使い方をするなら、ということで、コワーキングスペース7Fに関しては、運営面などで色々と配慮してもらっている点があります。もし、今のタイミングから手を挙げても今と同じ環境では取り組めなかったと思います。もちろん、今なら今の出会いがあったかもしれませんが、何事もタイミングが重要ですね、ということを実感しています。

私の場合は、個人創業の時はサイト運営によるインターネット広告収益、その後の起業後は当時まだCMSとして日本のシェアが低かったWordPress、次が今以上に知名度が低かったコワーキングスペース運営、そして今回のレンタルオフィス&貸し会議室、という形になっています。個人規模において、タイミングを逸した時に始めても良いことはありません。それでもやりたいとなりますと、タイミングが良い時の何倍かのリソースを掛けてようやく同じ結果になるかと思います。
事業者としての性格にもよるのかもしれませんが、これもニュアンスとしてお伝えするのが難しいところですが、常勝というよりは不敗を目指しているところでして、負けなければ負けないので負けることは無いと思っているところでして、タイミングは常に見ていて、タイミングが合わなければ自分では取り組まないと思っているところです。

そのようなわけでして、このタイミングで、6Fが空いたということで、増床に至る直接的な経緯は「6Fが空いたから」というところではありますが、タイミングもおそらくは合っているだろうと思いまして、2015年10月から動き始めました。

 

そう判断したタイミングとしましては、以下の通りです。

 

(1)コワーキングスペース7Fの稼働率が毎日とは言わないけれど100%に近くなってきた。
コワーキングスペース7F上の写真の通りで、毎日ではありませんが、稼働率が100%に近い日も出てきました。情報ギャップが一番良くないなと思いまして、混雑状況として、本当に混雑している時やイベントが開催されて賑やかな時などはコワーキングスペース7Fの公式Twitterにアナウンスしているようにしていますが、いずれにせよ、箱の大きさ以上には人が入らないということを実感しているところであります。現在のコワーキングスペース7Fの月間延べ利用者数は約2500人、アクティブの月額会員は100人超、売上は「客単価✕利用者数(月額会員数+ドロップイン利用者数)」になると思いますので、コワーキングスペース7F単体では売上は最近では月200万円くらいで横ばいが続いていますし、客単価につきましてはオープン当初から2時間500円、1日1000円、月額会員9200円~(税込)で、消費税10%くらいまでならコワーキングスペースとしての客単価を上げることを考えないというところからスタートしていて(当時の消費税は5%でした)、単価を変えるということがどういうことか感覚として分かっているつもりですので、経営者判断としてこれで行くとITで起業していた東京から生まれ育った埼玉県さいたま市に戻ってきてコワーキングスペースを始めると決めた時点でシュミレーションはし尽くしていますので、単価は変えない、すると、稼働率100%ではそろそろ限界、現在の215平米・65坪の1フロアだけとなると、もうスケールしないな、と思っていたところではあります。
本業と呼べるIT事業も変わらず続けている中で、サブ事業的な位置付けであるコワーキングスペースの方はスケールさせないで今の規模で続けるということも経営者判断としては有りだと思いますが、満席で入れません状態をずっと続けていくのも、それはそれで機会損失以上に、オペレーションが疲弊するなと見ていて感じていました。もし、このタイミングで7Fのすぐ下のフロアである6Fが空いたことで手を挙げなければ、事務所物件の不動産として賃貸借契約は原則3年更新なので、このまま稼働率ほぼ100%という状態をオペレーションで騙し騙し運営していくのはコワーキングスペースの運営の通常業務を担当しているスタッフに負担が掛かる割には売上も収益もこれ以上増えづらいことは見えているのでモチベーションとしても良くないなと思いました。
また、利用者満足を考えた場合、仕事や作業の場所として利用するならば、稼働率はMAXでも80%くらいで席数に余裕のある空間にした方がより集中できるはずです。
その意味では、増床できるならしたいというタイミングでもありました。

 

(2)スタッフ体制とスタッフ採用方法が確立した今のタイミングで、コワーキングスペース側で雇用を増やすには増床する必要があると感じる。
コワーキングスペース7Fスタッフ上の写真は先日にありましたWordCamp Tokyo 2015にコワーキングスペース7Fとしてブース出展した際に参加した7Fスタッフの一部との写真です。コワーキングスペース7Fは、現在、コワーキングスペース7Fスタッフ紹介にあります通り、20人弱の体制で運営しています。コワーキングスペースの運営も4年目に入り、特に運営2年が終わった辺りから急速に体制が整いまして、現在はコワーキングスペース側にも正社員のスタッフもいるし、アルバイトスタッフも充実していて、内部のマニュアルやスタッフへの研修やグループウェアなどでスタッフ体制もできていて、私がコワーキングスペース側の通常業務に入るということも無くなりました。体制が確立して回っている状態ですので、次のフェーズにも行きやすいタイミングだと思っています。

一方で、裏側の事情としましては、(1)でも書きましたが、箱の大きさ以上に人は入らないということを実感していまして、消費税10%くらいまでなら客単価を上げる予定もありませんので、するとコワーキングスペース単体での売上は最近は月200万円くらいで横ばいという状態が続いています。
スタッフの募集は、コワーキングスペース7F アルバイトスタッフ・インターンシップ・正社員スタッフ募集から行っていますが、募集をすると毎回多くの応募がありまして、例えば前回は35人の応募があってその中から5人を採用しまして毎回採用倍率は7~8倍くらいで、一方で辞めるスタッフは大学卒業や海外長期留学やフリーランスとして完全に独立する等のタイミング以外で途中で辞める人が少ないので、現在は年に一度くらいの応募となっています。これは売上を増やせていませんし、そもそも現在のスタッフ数で回せる以上の仕事がありませんので、すると、空間として現状維持では、IT側はともかくコワーキングスペース側ではこれ以上の雇用は難しいということになります。

2015年12月6日に、山形県の東北公益文科大学で開催された第2回地域課題解決全国フォーラム in 庄内というイベントの中で、「コワーキングスペースを活用した地域ビジネスの活性化」というセッションがありまして、その中で約20分のスピーチをさせていただきまして、以下のスライド資料の9ページ目の通りで、その時にもお話させていただいたのですが、最近、地方創生の話としてよく話題にあがる地域活性化ですが、この前提として、「産業を作る→仕事が生まれる→売上が上がる→雇用が生まれる→人が根付く」からの「地域活性化に繋がる」と私は思っています。

地方都市に行けば行くほど、コワーキングスペースを「自分は地域に創業支援と雇用創出と地域活性化をしたくて、コワーキングスペースはそのプラットフォームだ」と言う運営者がいますが、その役割ももちろんあると私も思っていますが、ビックリすることに、自分のコワーキングスペースでは無償のインターン学生を募って、そう言う割には自分では雇用していない、というケースも見聞きしてきました。この点、無償で人を働かせることに対して批判的な意見を言っているわけではなくて、その人が良い経験になっていて良いと思っているのならばそれでも良いと思いますし、実際にIT業界ではそういうインターンは最近よく見聞きします。しかしながら、個人的には、コワーキングスペースの役割の中に、もし仮に創業支援や雇用創出や地域活性化と謳っているならば、そう口では言いつつも自分では雇用を創出しないと大いなる自己矛盾が生じていて、そのような矛盾を抱えている空間が中長期的に残るとは思えず、そういう場所は運営者利益総取りの仕組みのはずなのに、実際の現実としては、そういう所から潰れているような印象も持っています。

従いまして、「産業を作る→仕事が生まれる→売上が上がる→雇用が生まれる→人が根付く」からの「地域活性化に繋がる」ということを考えて、自分達にも当てはめますと、私達はコワーキングスペース7Fのクレドにもあります通りで、コワーキングスペースという新しい産業を埼玉県さいたま市で初めて作りまして、それによって空間運営という仕事が生まれて、月200万円くらいの売上が上がったことから、2015年12月時点では16人のスタッフ雇用が生まれて、それによって正社員は埼玉県さいたま市に移り住んでいる人もいて、ここからの地域活性化だと思っています。
この雇用を広げるには、売上を上げる必要があり、もちろん、事業としての採算性を考えずに雇用を広げては、経営側から見るとそれは固定費の増大になり事業リスクも高まりますので、しっかりとシュミレーションして収益の安定性を見つつ、オペレーションとしてもスタッフ体制とスタッフ採用方法が確立している今のタイミングでしたら増床もできると思いました。

また、上記のような観点を抜きにしても、IT事業だけしていた時に比べて、雇用できる幅は広がって、個人的には、これはこれで、純粋に楽しいと感じています。特に、ITスキル関係なく埼玉県地域の優秀な学生を多く雇用できるのはコワーキングスペースを始めたこともメリットの一つだと思っています。何か将来の目標がある学生を、個人事業主時代から含めると約10年間、事業者として活動してきた自分の経験や人脈を紹介してプラスにしてもらったり、逆に将来の目標が定まっていない学生を、コワーキングスペースのスタッフというアルバイトを通じて、まずはインプットを増やしてもらう、ということで、成長が間近に見えるというのは、個人的には楽しく感じています。私自身が中央大学を卒業した後、就職せずに約5年間、27歳まで無職で実家に引き籠もっていた経歴があるので、特にそう思うのかもしれません。今振り返ってみると、引き籠っていた約5年間は、何もしたくなかったわけではなくて、就職活動をしなかったことで社会人になりそこねて、どう社会人になる入口を見つければ良いか分からなかったのかもしれないなと思っています。今はインターネットも普及していて情報へのアクセスが容易ですし、コワーキングスペースのような不特定多数の自分で積極的に活動している人達とリアルに知り合う場所も多くあり、インプットもアウトプットもしやすい時代になっていると思います。さらに、コワーキングスペース7Fのスタッフは学生だけでなく、子育て中のお母さんスタッフやフリーランスもいます。能力が高いけれど子育て中で一時的に仕事をセーブしている女性に対してパフォーマンスを発揮してもらうことはそのお母さんスタッフにとっても社会と接することが出来てプラスになると思いますし、社会的にも少子化によって労働人口が減ってくる時代だと思いますしプラスになると思います。フリーランスの人にとっても、コワーキングスペースのスタッフ側の方がより人と出会えて情報が集まりますので、これをキッカケに完全に独立開業というパターンも見てきました。そういった成長を見えるのは、誤解を恐れずに言いますと、私のように、たままた趣味で運営していたWebサイトの広告収益が増えたことで意図せずに起業に至った人間からしますと、非常に目的を持っていたり良い意味で意識も高く頑張っていて、私にはそのような目的も意識も当時は無かったので、私自身も刺激を受けます。このような人達をより多くスタッフとして雇用して関わるためには、仕事も売上も上げていく必要があり、その方法の一つとして増床も良いタイミングだと思いました。

 

(3)コワーキングスペース運営で得た知識や経験や人脈を活かしつつ、利用者満足をより高めるとしたら、3年前に比べて「コワーキングスペース」というキーワードの認知度が高まってきた今のタイミングで、近くてより大きい市場のレンタルオフィスと貸し会議室をやってみたい。
Google Trends普通に気が付いてはいたのですが、「コワーキングスペース」というキーワードはいまだにニッチなキーワードです。しかしながら、それでも確実に「コワーキングスペース」というキーワードの認知度は高まってきました。例えば、Googleで実際に検索された回数が分かるGoogle Trendsを使いまして、Google Trendsで「コワーキングスペース」「レンタルオフィス」「貸し会議室」と検索してみますと、上記のような結果となります。2012年以前に「コワーキングスペース」と検索する人の数はゼロ、そして、私がコワーキングスペースを始めようとした2012年後半では「コワーキングスペース」と「レンタルオフィス」「貸し会議室」では5倍以上の検索回数の差がありました。これを2015年11月で見てみますと、「コワーキングスペース」というキーワードが徐々に右肩上がりに検索回数が増えていまして、「コワーキングスペース」と「レンタルオフィス」「貸し会議室」では約2倍の検索差まで近づいてきました。Google Trendsはあくまで検索回数ではあるのですが、認知度の指標としては参考になるかなと思っています。

実は、3年以上前、埼玉県さいたま市で「コワーキングスペース」というまだ誰もやっていない業態を始めるにあたって、埼玉県さいたま市で固定席で区分されたレンタルオフィスを運営している複数の業者の経営側の人達に、人の紹介を介して挨拶に行きました。私は埼玉県さいたま市で生まれ育っていますが、起業はずっと東京でしていて、埼玉県さいたま市にはビジネス上の繋がりが無かったし、業態は異なるとはいえ、ビジネス向けに空間を提供するという点では近いかなと思ったからです。その時に、レンタルオフィスを運営されている事業者の方々はコワーキングスペースというキーワードを皆さんご存知ではありましたが、「ハード面が重視されるレンタルオフィスや貸し会議室には興味があり事業としていますが、ソフト面が重視されるコワーキングスペースは労力が掛かる割に儲からなそうで全く興味が無いので、どうぞ自由にやってください」と実際に言われまして今も記憶に残っているわけですが、確かにその発言の通りで、やはりオペレーションや運営が大変な割に収益化が難しいとされているコワーキングスペースを、不動産業側出身でレンタルオフィスや貸し会議室を行っている事業の経営側の人達は、少なくとも3年前は眼中に無いような印象ではありました。
しかしながら、私達は、そのレンタルオフィスや貸し会議室の運営よりもソフト面が重視されるというコワーキングスペース運営の分野において、採算を合わせつつ体制を整えることができました。空間提供の事業において、比較的周辺にいるであろう業態の事業者の人達の多くが、3年以上前の当時コワーキングスペースという業態について眼中に入れていなかったのは、IT事業者出身で空間運営の素人の私達が参入する余地があり、しかも業界内でもポジションが確立できた今となっては、経営者の私からしたら正直ラッキーなタイミングでした。数年前のタイミングならともかく、今、コワーキングスペースの運営に参入してきたとしても、今度はこの分野においては私達が先行者になっているからです。そして、コワーキングスペース運営で得た知識と経験と人脈は、おそらくは同じ空間提供というビジネスにおけるレンタルオフィスや貸し会議室にも活きてくると思っています。また、今まで閉店したコワーキングスペースも含めると100箇所以上のコワーキングスペース、そして、おそらくは50箇所近いレンタルオフィスと貸し会議室も見てきまして、可能な限り運営側の人とも話をしてきて、従来はフロアにおいてキツキツに詰め込む設計が多かったようですが、今の時代においては一見するとお金を生まないオープンスペースも重要性が出てきているように思います。この感覚はおそらくは合っていると思っていまして、この点、コワーキングスペースを併設しているというのはメリットになると思っています。

3年前のタイミングでは、私達にとっては、コワーキングスペースではなくて、もしレンタルオフィスや貸し会議室という市場に手を出していたら、未経験でリスクも高かった気がしますが、コワーキングスペース運営で得た知識や経験や人脈を活かしつつ、なにより既にコワーキングスペース運営による安定収益を得ている状態で、より利用者満足を高めるとしたら、3年前に比べて「コワーキングスペース」というキーワードの認知度が高まってきた今のタイミングで、近くてより大きい市場のレンタルオフィスと貸し会議室を増床する形でやってみたいと、事業者として考えるところではあります。それをコワーキングスペースを運営しているすぐ下のフロアで出来るとなりますと、少なくとも、空間の提供としてコワーキングスペースのようなソフト面の充実を必要としている側を経験してきていないレンタルオフィスや貸し会議室とは、どちらが良いかということではなくとも、確実に住み分けが出来て差別化を図れるタイミングなのではないかと考えています。

また、コワーキングスペースのようなオープンな空間での創業を起業の小学校と位置付けたとしたら、成長ステージに乗って固定席が必要になるような起業の中学校くらいまでは用意できたらとは思っていました。サービスオフィスのようなソフト面もそうですが、ハード面としての固定席と、ちゃんとした会議室、というところです。空間としての広がりを見せて、利用方法の多様化に対応できるようにすれば、利用者満足もより高められるはずだと。そのために、コワーキングスペースの運営を始めて3年以上が経ちまして、このタイミングでより幅広いニーズに対応していきたいと考えています。
 

(4)コワーキングスペース7Fのオープン当初にやっていたようなイベントや勉強会が、利用者増加に伴いまして、あまり開催できなくなったので、またやりたい。
コワーキングスペース7Fこの上の写真は、「埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会」として、2カ月に一度の定期開催をしているコワーキングスペース7Fの主催のイベントで埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会 第3回の開催の様子ですが、この時は約30人の参加者がありました。実は、コワーキングスペース7Fオープン当初は、50人前後のイベントも結構な頻度で開催していましたし、最大では約80人のイベントを開催したり、今はそういうことはありませんが運営体制が整っていなかった当時は、うっかりダブルブッキングしてしまって50人前後のイベントを同時並行に2つ開催したりということもありました。それでも収まっていたのは、コワーキングスペース7Fオープン当初は、フェーズとしましてイベントや勉強会で場所を知ってもらうという段階で、通常利用者が全然少なかったからという点があります。しかしながら、それから3年が経ちまして、ありがたいことではありますが、アクティブな実稼働している月額会員さんだけでも100人を超えていまして、その他にドロップイン利用者(一時利用の人)も1日平均40人くらいは来ます。そうなりますと、空間提供側としましては、継続的にお金を払っていただいて普段利用をしてくださる人達を優先するようになります。これはもちろん当たり前のことで、普段利用をしてくださって、その人達の仕事だったり作業が快適に出来る空間を目指すのが前提になります。その上で、しかしながら、やはり私達は創業支援と地域活性化を謳っていて、より多くの交流や生まれるためにはイベントや勉強会はより多くやっていきたいし、イベントや勉強会を通じてその分野の人達が繋がるということは創業支援と地域活性化にとってプラスになるはずだし、それはコワーキングスペース7Fのクレドからも間違ってはいない方向だと思います。それが空間としても中長期的に見れば収益性に繋がると思います。
また、これは全体を離れた私個人の想いですが、もともと起業当時からIT関係を中心に10人規模から1000人規模までのイベントや勉強会やカンファレンスに携わってきまして、そういった運営を自分自身で行うことも、そういった運営をしたい人をサポートすることも好きだということもあります。この点、箱の大きさ以上に人は入りませんので、今のコワーキングスペース7Fは、オープン当初に比べてMAXでも30人くらいのイベントや勉強会が精一杯で、それも曜日や時間帯を選んで行わないと入りきれない状態で、しかも周囲に気を遣いつつ運営せざるを得ない状態で、自分でもイベントや勉強会がしづらくなっているということはもちろん分かっていました。
6Fを増床して、最大で机と椅子を入れても60人くらい、椅子だけで良ければ100人くらいまでなら入る空間を、6Fの半分の広さを使って作ることで、この問題が完全に解決します。そういった意味でも、このタイミングで増床したいというモチベーションはありました。

 

(5)3年以上前に「コワーキングスペース」という業態を埼玉県さいたま市で初めてやりましたので、それから3年が経ちまして、近い市場だけれども利用者層も異なるレンタルオフィスと貸し会議室も運営して、より多くの方々に利用していただくことで、埼玉県さいたま市地域において、事業を通じて社会的影響力や社会的価値を出して、ソーシャルインパクトを高めたい。
東北公益文科大学上の写真は、山形県の東北公益文科大学で開催された第2回地域課題解決全国フォーラム in 庄内というイベントの中で、「コワーキングスペースを活用した地域ビジネスの活性化」にゲストスピーカーとして呼ばれて講演した時の写真ですが、地方創生や地域活性化の議論や施策が盛んなのか、地方都市の大学や役所や民間企業主催のイベントに呼ばれて講演をしに行ったり等の外出の機会がとても増えています。地方都市で開催される創業支援や地域活性化のイベントにおいて、都内から外れた埼玉県さいたま市という地方都市で、コワーキングスペースの運営を3年以上しているからだと思います。
私自身は、22歳で大学を卒業して約5年間実家に引き籠もって27歳まで無職で、その後にようやく社会人になりまして税理士法人でサラリーマンを2年した後、縁あって29歳でIT分野で起業して、気が付けば会社も来月には9期目となります。コワーキングスペースの運営を始めたのは会社としては5期目の終わりくらいからで、本業のIT事業のサブ事業という位置付けです。起業当時から東京に会社の所在地はありましたが、当時からもしこのまま起業を継続できるようなら50歳くらいで生まれ育った地元の埼玉県さいたま市に戻って事業をしたいと思っていました。結果的には、このタイミングでコワーキングスペースという事業で戻ってきたら、埼玉県さいたま市では、まだ誰もやっていないし、コワーキングスペースの運営を通じて地場のプレイヤーとも知り合えるし、自分自身も地場のプレイヤーになれると思いまして、会社としては5期目、私の年齢としては34歳で戻ってきましたので、予定より15年以上早まりましたが、地元の埼玉県さいたま市に戻って地場に根付いた事業をする、ということは実現できました。
2年前のコワーキング Advent Calendar 2013に参加して書いたコワーキングスペースの運営を1年間それなりに本気でやってみて思ったこと色々。というブログ記事の中でも書きましたが、原動力になっていると肯定的に捉えることもできるのかもしれませんが、自分自身の中では、自分は社会人になったのが遅くて20代の多くの時間を無駄に過ごしてきたという激しい後悔と危機感、そしてコンプレックスがいまだに消えません。後悔と危機感とコンプレックスを思い出し、今でも吐き気を催すほどです。それを打ち消すために、一般的な残業の無い仕事だと通常の人は、朝9時から夕方17時まで8時間を平日5日間で、1週間で40時間労働とのことだったので、とりあえず3倍で、朝7時から深夜1時くらいまでを土日関係なく毎日働けば1週間で126時間労働になるので、たまに休んでも、だいたい3倍くらいの量となり、スピード感も出るかなと漠然と考えて、社会人になってからのこの10年間、活動してきました。結果的には、タイミングに恵まれて講演の機会も多く書籍も多数出版していたり(Amazon.co.jp: 星野 邦敏:作品一覧、著者略歴)、ありがたいことに仕事も多くありまして、起業して約10年生き残ることができました。
しかしながら、これをどこまで書いたら良いかいうところもあるのですが、前に書きました通りで、長いこと引き籠もって社会人にならなかったことに対して10年経った今でも後悔と危機感とコンプレックスがありまして、生まれ育った地元に戻ってきて、なぜ地場の事業者になりたかったのかと言えば、それは生まれ育った地元に貢献したいということももちろんありますが、個人的には引き籠もり生活が長くて何も生み出していなかった自分としては、資金も人脈もゼロから創業したけど、そんな自分でも何かを起こせるということを具現化したい、ということが個人的にはあります。まあ、客観的に見れば、これは地場である必要も実は無くて、日本中や世界中に使ってもらえるWebサービスやITプロダクトを作る!とかを目指すとかももちろん有りでして、ただ、私の主観的には、どうしても一度は地場でのプレイヤーになりたかった、これは引き籠もり生活約5年の自分が当時もしこの状況から抜けられたらそうしたい、と考えていたことでしたので、どうしても実現したい、そして、それはコワーキングスペースの運営を通じてまず足掛かりは出来たと認識しているところではあります。
従いまして、順調に上手くいっていた東京でのIT事業を一旦置いておいても埼玉県さいたま市でコワーキングスペース運営事業を始めたのは、生まれ育った地元において、事業を通じて社会的影響力や社会的価値を出して、いわゆるソーシャルインパクトを高めたい、ということもあります。
そのための方法は複数あると思いますが、その一つとしまして、3年以上前に「コワーキングスペース」という業態を埼玉県さいたま市で初めてやりましたので、それから3年が経ちまして、今のタイミングでレンタルオフィスと貸し会議室も行うことで、「コワーキングスペース」というキーワードでは来ないような層の人達にも、大宮駅東口の私達の空間に来ていただきまして、私達の空間を利用していただくことで、埼玉県さいたま市地域において、社会的影響力や社会的価値を出して、いわゆるソーシャルインパクトを高めていければと考えています。
そのための方法の一つとして、コワーキングスペースの次に、このタイミングで、レンタルオフィスと貸し会議室をやってみたいという想いもありました。

 

長くなりましたが、このように、6Fを増床してレンタルオフィスと貸し会議室を大宮駅東口に作る経緯は、コワーキングスペース7Fが順調だからではなくて、そのタイミングが来たから、直接的には純粋に「6Fが空いたから」、そして、来るべきタイミングに備えて常に準備してきて、そのタイミングが来たと判断したことから、増床してレンタルオフィスと貸し会議室を行うことになりまして、2015年10月から動き始めました。

この後に、増床する6F部分の設計図面の記事を書こうと思ったのですが、ここまでで1万5千文字を過ぎていますので、別記事ですぐに書こうと思います。

6F

上の写真は増床予定の6Fの写真ですが、レンタルオフィスや貸し会議室を始めるにあたっての設計図面の検討をしたり、施工業者と話したりの中から、コワーキングスペースを始めた時との違いが随分ありました。そういったことを設計図面の修正していった経緯も含めて別記事に書ければと思います。

そのようなわけで、このブログ記事はコワーキング Advent Calendar 2015 – Adventarという「コワーキング」に関するブログ記事のリレー記事として書きまして、(本来は)明日12月2日は、コワーキングスペース茅場町Co-Edoの田中さんです。
コワーキングスペースの『敷居が高く』感じる人のための使い方をまとめてみました

コワーキング Advent Calendar 2015 – Adventar」も「コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015 – Adventar」も読んでいてとても参考になります。特に私は運営側の人間ですので、運営者の書くブログ記事はとても参考になります。私達はコワーキングスペースに加えて、レンタルオフィスと貸し会議室も始めることとなりますが、固定席のあるレンタルオフィスと貸し会議室を併設するコワーキングスペースも今後増えてくると思います。なぜなら、私が始めた頃に比べて、大手企業の参入や後発者としての優位性などから初期費用を掛けて大きく作るところが増えてきたからです。私達は増床という形で、広さは約480平米となります。次のステージという感覚もありますので、今回の6Fにレンタルオフィスと貸し会議室を作るというのは、単なる「増床」ではなくて空間提供として「拡張」や「成長」という風に考えていますので、頑張っていければと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。