重要 2024年1月4日以降のドロップインのご利用につきまして

まるで森の妖精 大宮のリトアニア雑貨店「fragmentas(フラグメンタス)」主催のカフェコンサートを取材しました

手を叩きながら歌う姉妹

こんにちは。大宮経済新聞ライターの山田です。
桜の季節に、さいたま市大宮区北袋のカフェ「maru(マールーウ)」の庭で行われた、リトアニアの姉妹による素敵なコンサートを取材してきました。

その記事はこちら。
さいたまでリトアニアの姉妹がコンサート 雑貨店主のガイド本出版を記念

コンサートのより詳しい模様を、編集後記として写真とともにお届けします!

 

ガイド本『おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ』出版記念のコンサート

 
今回のコンサートを企画したのは、さいたま市大宮区高鼻町でリトアニアの手仕事品を扱う雑貨店「fragmentas(フラグメンタス)」を営む渋谷智子さん(写真中央)。
雑貨店fragmentas(フラグメンタス)店主の渋谷さんと、リトアニアから来日した姉妹

 

渋谷さんはリトアニアで友人の結婚式に出席した際に、ミンガイレ・ジャマイティーテさん(写真右)とマリヤ・ジャマイティーテさん(写真左)姉妹の歌を初めて聴いたそう。その時に「心が震えるような思いがして、とてもびっくりした」という渋谷さんは、日本でも誰かにこの歌を聴いてもらいたい!と、日本へ来るよう姉妹へ声をかけたといいます。

そしてこのたび、渋谷さんが執筆したバルト三国のガイド本『おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ』(イカロス出版)の出版を記念して、コンサートが実現したそうです。
書籍『おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ』

 
この日コンサートの会場となったのは、さいたま市大宮区北袋にあるカフェ「maru(マールーウ)」。ちょうど桜が満開でした!
カフェmaru(マールーウ)の外観

 
maruは、桜の他にもチューリップやパンジー、アネモネなどたくさんの花が庭に咲き誇るとても素敵なカフェ。現在の場所に移転する前は大宮駅東口の一の宮通りにあり、fragmentasの店舗に近かったことから、渋谷さんもよく通っていたそうです。
カフェmaru(マールーウ)の庭に咲いた花

 
チーズケーキと水出しアイスコーヒーをいただきながら、コンサート開始を待ちます。
カフェmaru(マールーウ)のチーズケーキと水出しアイスコーヒー

 

リトアニアの手仕事を紹介する小さな民芸市

 
この日はコンサートとあわせて、リトアニアの手仕事の品を紹介する小さな民芸市も開かれました。
リトアニアの手仕事を紹介する小さな民芸市
 
繊細なレーザー細工のコースター、イースターエッグ、鳥の形の土笛、かご、手彩色の小さなつぼなど、いずれもリトアニアで渋谷さんが見つけたハンドクラフトの品々。多くの来場者が手にとり、作った作家さんの話やリトアニアの文化などの品物にまつわる話を渋谷さんから聞いていました。かごやキッチン用品は渋谷さんも実際に自宅で使って「いいな」と感じているものだそうです。

 

いよいよコンサート開始!

 
コンサート開始の時間が近づき、中世の衣装を身にまとったミンガイレさんとジャマイティーテさんが庭へ腰を下ろすと、観客席からは「わぁ、妖精みたい……!」とため息混じりの歓声が上がりました。
ミンガイレ・ジャマイティーテさんとマリヤ・ジャマイティーテさん姉妹

 
姉妹が歌うのは、「おばあちゃんのおばあちゃんの、そのまたおばあちゃんの世代から」受け継がれてきた歌たち。演奏の前にはそれぞれの歌に込められた意味をミンガイレさんが説明し、渋谷さんが通訳して紹介します。
手を叩きながら歌う姉妹

 
手にしているのはリトアニアの伝統的な弦楽器「カンクレス」。昔は男性が胸のところに置いて弾くのが伝統でしたが、いまは男女問わず弾かれているそうです。

実はこのカンクレスの形は、棺を模しているのだそう。あるお父さんが娘を失くして悲しみにくれ、森で特別な木を探してカンクレスを作った、という物語がこの楽器の背景にはあるそうです。

カンクレスの響きとともに、スイングするような明るい歌、メランコリックな歌、輪唱など全10曲が披露されました。特に輪唱は、リトアニアでは「歌声に感情を込めて渡すプライベートな行為」だとされているそうで、姉妹の息がぴったりと合いとても幻想的でした。
カンクレスを弾きながら歌う姉妹

 
また「この日来場したみなさんへのプレゼント」ということで、日本ではおなじみの歌「さくらさくら」も歌われました。ただ、姉妹が歌う「さくらさくら」は、私たちが知っている曲とは少しだけメロディーが違います。姉妹は友人伝いにこの曲を教えてもらったそうで、日本からリトアニアに曲が伝わった際に音階が変わったおもしろい例なのでは、と渋谷さんが解説していました。
桜の下でコンサートを楽しむ観客

 

大宮駅東口の雑貨店「fragmentas」と「rytas」

 
渋谷さんが営む「fragmentas」と併設するヨーロッパ雑貨店「rytas(リータス)」は、大宮駅東口から徒歩10分ほどの場所にあります。
雑貨店fragmentas(フラグメンタス)を紹介する看板

 
さいたま市で生まれ育った渋谷さんは学生の頃から大宮へよく遊びに来ていて、「大宮にはお気に入りのカフェや本屋さん、美容室はあるけれど、雑貨屋さんがないな」と感じてこの場所にお店を開いたのだそう。ここ数年は百貨店への催事出店でお店を臨時休業することもあったそうですが、今年はできるだけお店を開けて、地元さいたまのお客さんに商品を届けたいと話していました。地元のファンとしては嬉しい限りですね!
 
お店のWebサイトはこちら。
リトアニアの手工芸品・雑貨 fragmentas フラグメンタス
ヨーロッパの古雑貨、ハンドクラフトのお店 rytas【リータス】

インスタグラムでも素敵な雑貨の写真や、ミンガイレ姉妹が歌う動画を見ることができますよ。
fragmentas instafram

今回のコンサート会場となったカフェ「maru」もとても雰囲気が良いお店。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。カレーや、エスニックなチキンソテーの定食がおすすめです!
マールーウ Facebookページ