浦和の北欧雑貨店「.gut(テングート)」さんの1周年を取材しました!

こんにちは。大宮駅東口でコワーキングスペース7F(ナナエフ)を運営する株式会社コミュニティコムによる地域メディア媒体「大宮経済新聞・浦和経済新聞」のライター・野中です。

2024年11月10日、浦和区の北欧雑貨店「.gut(テングート)」が1周年を迎えました。北欧雑貨と日本の骨董品を掛け合わせた趣のある空間が魅力のこちらのお店。北欧雑貨の購入だけでなく、ランチやデザートもいただけます。おひとりさまでランチに立ち寄ったり、珈琲を飲みながら読書をしたり、穏やかにゆっくりと過ごされる方が多いとのこと。

こちらのお店を、浦和経済新聞で取材しました。そちらの記事でご紹介しきれなかったこぼれ話を、この編集後記でご紹介します。

浦和経済新聞の記事はこちらです。

浦和の北欧雑貨店「テングート」が1周年 北欧と和の組み合わせ提案
https://urawa.keizai.biz/headline/937/

「元気に動く」の前には「休む」が必要

「日本で北欧雑貨を取り入れた空間を提案したい」と杉山夫婦がはじめたこちらのお店。「慌ただしい日々から離れて一息つける場所でありたい」という想いもあるそうです。それはお二人がドイツの休暇の過ごし方を体験して、「一息つくことで元気に動き出すことができる」と実感したからだと言います。

「子育て中の夫婦がひとり時間を過ごすために、交代で来店してくれたこともあるんです」というエピソードを聞いて、お二人の想いがお客さまに届いていることを感じました。

店内のカフェスペース
店内のカフェスペース

北欧雑貨への止まらない愛

お店で販売している北欧雑貨は、お二人が現地へ足を運んで仕入れています。取材中、仕入れについてのお話を伺っていて、お二人の北欧雑貨への愛がひしひしと伝わってきました。

「仕入れに行くときは、2人で合計4つの大きなスーツケースを両手で引いていきます。行きは、スーツケースの中にプチプチ(緩急材)と食費節約のためにレトルト食品を詰めています。仕入れる物は陶器が中心なのでとても重くて、割れないように気も遣います。途中でトイレに行くことも一苦労です」。海外での仕入れは、私の想像以上に重労働なものだと知りました。でも、そんな苦労話をしているお二人の表情がとても楽しそうなのです。

さらに商品選びのこだわりを伺うと、寿恵さんが少し恥ずかしそうに笑ってこう言いました。「私は、ちょっと気持ち悪いものが好きです。『キモカワイイ』もの」。私も、遊び心のあるユニークなものが好きなので興味津々です。寿恵さんはお気に入りの物を次々と紹介してくれました。

「これはデンマークで仕入れたものです。このなんとも言えない表情の鳥がかわいくて。カップの底にも、この鳥のバックスタンプがついているんですよ!」

鳥のキャラクターのカップ
鳥のキャラクターが躍っている様子が描かれた、赤色とクリーム色のホーローカップ

「このカップには男の人が歯磨きしながら支度している様子が描かれていて、内側に歯ブラシ立てがついているんです」

歯磨きをしながら身支度をする男性の様子が描かれたカップ
歯磨きをしながら身支度をする男性の様子が描かれたカップ

「これは、怒ったサンタクロースの表情に惹かれました。サンタって優しいイメージだけど、このサンタはなぜか少しムスッとしています」

サンタのイラストの器
寿恵さんいわく「怒ったサンタ」のイラストが描かれたガラスの器

「朝起きて会社に行きたくないなと思っても、こういう物を見るだけでクスっと笑えて頑張ろうって思えたりしますよね。職場に置いておいてもちょっと楽しい気分になれると思います」と寿恵さん。確かに、ふと気持ちが落ち込んだときや疲れたとき、身の回りに気持ちが緩まる物がひとつあるだけで気持ちが明るくなりそうです。

お二人とも自分が心からいいと思った物を仕入れているので、「自分の物にしておきたい」という気持ちが強くなり、販売することが惜しくなることもあるそうです。「値段をつけているときはいつも複雑な気持ちです。これ、売りに出してしまうのかーって」と慎(まこと)さんは笑いながら話します。

猫の置物
慎さんがフィンランドで一目惚れしたという、愛らしい表情の猫の置物(上段中央)

聞くまでもない質問だと分かりつつ、「仕入れは楽しいですか?」と尋ねると、「すごく楽しいですね。特に、『あのお客さんの好みに合いそうだ』と思って仕入れた物を、そのお客さんが気に入ってくれたときはとてもうれしい」と返ってきました。

取材中、「これはね」と言ってすごく楽しそうにいくつもの商品の紹介をしてくれたお二人。そのお話を聞いていて、物を買うときに、その物が作られた背景、デザインの特徴、仕入れたときのエピソードなどを知ることができると、購入した後により愛着をもって使うことができるのではないかと思いました。

自分で選んだ物は、自分の暮らしに合う

店内のディスプレイは慎さんが担当していて、北欧雑貨と日本の骨董品を絶妙なバランスで組み合わせています。私は今まで、日本の骨董品と北欧雑貨は雰囲気がまったく違うと思っていたので、2つを合わせると一体感が出ることに驚きました。慎さんは、北欧風と和風を組み合わせることの魅力を「お互いの良さが引き出されて、あたたかみのある空間になること」だと言います。

石川県金沢市で作られた棚とベルギーの食器
石川県金沢市で作られた棚とベルギーの食器を組み合わせている

店内は慎さんのセンスで素敵な空間が作りあげられていますが、組み合わせの相性が合わないことはないのでしょうか。伺ってみました。

「北欧雑貨で日本の物と合わないことはあまりないです。どの方でもそうなんですけど、自分が選んだ物は自分の暮らしに合います。一見かけ離れているような物同士でも、並べてみると不思議とちぐはぐにならないんです」「自分で選んだ物は自分の暮らしに合う」

慎さんのこの言葉を聞いて、私も心から良いと思った物を、自信を持って自分の部屋に並べてみたくなりました。

ひとりひとりの暮らしに合った北欧雑貨の取り入れ方を提案していきたいというお二人。「すごく素敵な物だけど、自分の暮らしに馴染むだろうか」と悩んでしまったら、ぜひお二人に相談してみてください。きっと、親身になって素敵な提案をしてくれると思います。

デンマークのシュガーポット
デンマークのシュガーポット。杉山夫婦は、砂糖ではなく漬物入れとして重宝しているという。

両親の想いを引き継いで、地域に貢献していきたい

本編でもご紹介した通り、テングートは、寿恵さんの両親が長らく浦和で営んでいた洋品店「テングヤ」を改装してつくりました。「テングヤ」は現在もお店の大きさをコンパクトにして、寿恵さんのお母さんが営んでいます。お店を外から見ているだけでは分からなかったのですが、実は「テングート」と「テングヤ」はお店の中で繋がっています。もちろん、お客さんも自由に行き来することができます。

「おもしろいもので、テングートのお客さんがテングヤも利用するようになってから、テングヤで扱う服の雰囲気が変わってきました。以前は高齢の方向けの物が中心でしたが、今は若い方向けの商品も取り扱うようになりましたね。テングヤに服を買いに来たお客さんも、こちらのお店に来てくれます」。洋品店と北欧雑貨店の2つのお店が繋がったことで、相乗効果が生まれているようです。

寿恵さんの両親は、地域貢献をしたいという想いで長い間「テングヤ」を営んできたそうです。杉山夫婦は、お店の形は変わっても、両親の想いは変わらずに引き継いでいきたいとおっしゃっていました。きっと、その想いはこれからさらに地域の方に広がっていくことでしょう。

テングート(左)とテングヤ(右)
テングート(左)とテングヤ(右)

おわりに

本編でもご紹介しましたが、11月は1周年を迎えた感謝として店頭でお茶とお菓子をサービスしています。お茶は、世界各地で飲まれているものを毎週種類を変えて提供していくとのことです。週替わりでお茶を変えるというおもてなしに、お二人のお客さんに楽しんでもらいたいという想いを感じました。



取材ではじめてお会いした時も、「コーヒー飲みますか?」とお二人がキッチンに並んでコーヒーとお菓子を用意してくれました。お二人のあたたかい人柄とお店の居心地の良さで、はじめは緊張していた私も取材を終えてお店をあとにする頃には、心がポカポカとあたたかく、さわやかな気持ちなっていました。

お家で過ごす時間を今よりさらに心地いい時間にしたい方は、ぜひ、テングートにお気に入りの物を見つけに来てみてくださいね。
お店のホームページから、取り扱い商品を事前にチェックすることもできます。


.gut
埼玉県さいたま市浦和区上木崎4-1-30
https://tengut.com/


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