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ルネサンスの響きとまちの音感じる「オオミヤ・サウンドスケープ」を取材しました

こんにちは、大宮経済新聞の新ライターの川名と申します。よろしくお願いいたします。
ライター経験はありますが、大宮経済新聞としては初の取材をしてきました。
 

ルネサンス時代の音楽がまちに響く

大宮駅東口銀座通りで11月27日に行われた、音からまちを感じるプロジェクト「オオミヤ・サウンドスケープ」に行ってきました。
まず注目したのは、路上に設置されたバルダキン・オルガン(ふいご式パイプオルガン)。
 

この楽器は、イタリアの古城に残されていたルネサンス時代の型を、奈良県在住のオルガンビルダー中西光彦さんが時間をかけて復元したものだというから驚きです。美しい色や形、厳かな音色に、人々は足を止め耳を澄ましていました。
 
チェンバロ奏者で国立音楽大学客員講師の武久源造さんがオルガンを弾き、弟子の山口眞理子さんが、ふいご手として参加。ふいごで送った風によって音が出るしくみになっているこのパイプオルガンは、奏者とふいご手が息を合わせて演奏を行わなければならないそう。師匠と弟子の息はもちろん、ぴったりでした。

 

フラッシュモブ風の演奏

楽器や歌は、フラッシュモブ風に、通りのあちらこちらで起こりました。

イタリア・ルネサンス音楽「マドリガーレ」を歌う声楽隊「SESTETTO VOCALE」。

 

楽曲はすべてルネサンス時代のもの。いつものまちに古の調べが響き渡ります。

 

中東の太鼓ダルブカをたたく太鼓奏者の立岩潤三さん。

 

古楽バグパイプを演奏するバグパイプ奏者の近藤治夫さん。

 

演奏終了後、オルガンの箱を開けて中を見せてくれました。

まちの人々はめずらしい楽器との出会いを楽しんでいました。

 

大宮の良さを生かしたまちづくりを

「本物の音楽を聴くことで、耳がまちの音に敏感になる」と話すのは、イベントの企画制作をしたアートディレクターの鷲野宏さん。「演奏をきっかけに町の雑踏、商店それぞれの音、鉄道の音、鎮守の森の鳥の声など大宮らしい音を意識してもらいたい。まちづくりをする人に(このイベントに)参加してほしいですね」。

 

前日には、まちを歩き音を聴くワークショップ

前日の26日には、町の音を聴き地図に表すワークショップが行われ、約30人の世代もさまざまな参加者が、銀座通りから大宮公園まで歩きました。「氷川神社の参道特有の竹ぼうきの音や、七五三の参拝者がたてる砂利の音など、足を止めて音を聴き、マッピングしました」という鷲野さんのお話を聞いて、そちらにも参加したかったなあと思いました。

 

「にぎわいアート大宮」4つのイベント

「オオミヤ・サウンドスケープ」」は、さいたまトリエンナーレ2016の認定市民プロジェクトで、にぎわいアート大宮実行委員会が11月26日、27日に主催した「にぎわいアート大宮」の4つのイベントのうちのひとつ。

ほかの3つは、こんなイベントでした。

「AKIKO-あるダンサーの肖像-」 大宮出身のダンサーの生涯を描いたドキュメンタリー映画 大宮図書館
「せせらぎコンサート」 市内小中学校の吹奏楽バンドによる演奏 大宮小学校
「フリーアートミュージック」 大人も子どもも楽しめるポップス演奏会 銀座通り

 

大宮にアートの風が吹いた2日間。にぎわいアート大宮実行委員会代表の出口朱輝さんが、「音楽やアートは、よくわからないと言われることが多いけれど、わからなくていいんです。感じてもらえれば」と話していたのが印象的でした。


都市楽師プロジェクト「オオミヤサウンドスケープ」

にぎわいアート大宮