重要 2024年1月4日以降のドロップインのご利用につきまして

代表あいさつ

星野 邦敏ほしの くにとし

株式会社コミュニティコム 代表取締役
コワーキングスペース7F運営代表者
大宮経済新聞浦和経済新聞 編集長

こんにちは。コワーキングスペース7Fの運営代表者の星野邦敏です。
コワーキングスペース7Fは、東京でIT関連事業者として起業していた私が、生まれ育った埼玉県さいたま市に会社を移転し戻ってくるタイミングで、新規事業として始めたコワーキングスペースです。

コワーキングスペース7Fには、
(1)創業支援・就労支援
(2)子育て支援
(3)地域の課題解決の場
という、3つの目的があります。

(1)創業支援・就労支援

コワーキングスペース7Fを作った最大の理由は、生まれ育った地元の埼玉県さいたま市に、新しく産業や仕事を創出する人が増えて、それによって雇用が生まれる空間を作りたかったという点です。
私自身、大学を22歳で卒業しましたが、初めて正社員として就職したのは27歳の時でした。私は税理士法人に就職しましたが、新卒を過ぎて社会人経験が無い状態での就職活動が厳しいことを、自分自身で体験しました。

コワーキングスペース7Fは、様々な職業の人、様々な得意分野とスキルを持った人達が、利用しています。所属も、サラリーマンの人もいれば、フリーランスとして自分で活動している人、起業して会社を立ち上げた人など、様々なポジションの人がいます。今は働き方の多様性が話題に上がることもありますが、まだ少数派だと思います。そのような中で、コワーキングスペースには様々な業種業態、働き方をしている人達が集まっていますので、そのような人達と自然と知り合える環境は人によっては得ることは多いと思います。自然に知り合ってコミュニケーションを取ることで、多くの職業とスキルを身近に見れて学べて、仕事や就職に繋がっている人もいます。行政が行っている職業訓練校やハローワークの役割の一部分でも、官ではなく民間ですのでまた性質は異なりますが、民間のコワーキングスペースとしてより柔軟な形で就労支援や創業支援が行えればと考えています。

また、私自身、29歳の時に、図らずも異業種のITで起業するに至り、IT技術はもちろん起業やビジネスに関しても、今にして思えば未熟でした。そのような中、起業当初にインキュベーション施設内にオフィスを構えて、インキュベーション施設内で仕事をしていれば自然と他事業者と交流ができて情報や仕事が入ってきて、起業しながら多くの知識と経験と人脈を得ることができました。私が起業した2008年当時は日本にコワーキングスペースがありませんでしたので、今はコワーキングスペースを始め起業したての人達が仕事をする場所の選択肢が増えたと思います。インキュベーション施設は特定の人達が中心で出入りする空間で良い点も多かったですが、コワーキングスペースはよりオープンで不特定多数の人が出入りしてイベントや勉強会なども多く起業を考えていたり起業したての人が固定で使ったり気分を変えたりアイデアを求めたりでたまに利用したりなど選択肢の一つになると思います。

コワーキングスペース7Fの利用者さんで、「フリーランスで仕事をしていると、単独行動なため相談できる相手がいないものですが、コワーキングスペースのコミュニティーに参加することで、話し相手ができます。また、コミュニティに参加することで、世間とのズレを修正することができて、次の仕事につながるという好循環を生み出せる」と言ってくださった人がいました。このようなセーフティネットの機能もコワーキングスペースにはあると思います。

長くなりましたが、コワーキングスペース7Fは、私が生まれ育った埼玉県さいたま市に戻ってきて、何か地域に貢献できることをしたいと考えた時に、今後、地方都市において産業創出と雇用維持は課題になると思い、この課題を解消できるプラットフォームを作りたいと思いまして、創業支援・就労支援を一番の目的として作りました。

(2)子育て支援

埼玉県さいたま市は、少子化の時代に珍しく、小学校の数自体が増えるくらい子どもの数が増えている街です。私は実家が浦和で、さいたま市立大門小学校という小学校出身なのですが、今では生徒数が増えて、すぐ近くに美園小学校という小学校が新たにできました。また女性が結婚後に働き続けることも多いと思います。結婚後も会社員として働く場合には保育園や託児施設にお子さんを預けることもできるかもしれませんが、自宅での作業を中心とするフリーランスなどの場合には待機児童になりやすい傾向にあると思います。私も東京でITの仕事をしていた時にフリーランスの子育て中の女性と一緒になることがあり、そのような悩みを複数人から聞いていました。また、専業主婦でもイベント開催などに積極的で作業や打ち合わせを集中して行いたい時に場所が無いケースもあると思います。

毎日ではなくても週1・2日、お子さんを預けて、または、お子さんが近くにいる環境で、作業や打ち合わせをしたい、働く子育て中のお母さんや積極的に活動している子育て中のお母さんを応援する形での子育て支援ができればと考えています。

そのような目的から、コワーキングスペース7Fでは具体的に、一時託児施設「mama’s smile(ママズスマイル)」さんと提携してその託児料の約半額をコワーキングスペース7Fが負担する形で、コワーキングスペース7Fを利用して仕事や活動をしてもらえるよう取り組んでいます。

(3)地域の課題解決の場

各地域にはその地域を活性化したいと考えている人達が多くいます。この時に、行政の提供している公民館や図書館やコミュニティセンターなどもありますが、予約なども必要なく、飲食なども可能で、会社帰りの夜遅くなどに、より気楽に集まる中で、場合によってはプロジェクタやスクリーンも使って、集まって話し合いたい場合もあると思います。

また、その地域でイベントを開いている人達もいます。それぞれのイベントの主催者は、同一地域で行われている他のイベントの存在は知っていてもその主催者は知らないかもしれません。コワーキングスペース7Fでは、スタッフが常駐していて、よく利用している人の活動やバックボーンを共有しています。地域のイベント主催者同士を繋いで、例えば、テントはどこで借りているとか、商店街会長はあの人で相談してみよう、等、それぞれの主催者が孤独になることなく情報も共有して、より地域を盛り上げることができると思います。

埼玉県さいたま市の大宮はとても元気な街だと感じていますが、そう感じるのは地域で活動をしている人達の貢献も大きいと思います。そのような街の皆さんの活動を応援しつつ、私達自身もプレイヤーとして活動できる場として、コワーキングスペース7Fは存在したいと考えています。

この代表者挨拶文章は、コワーキングスペース7Fの運営を開始して1年8カ月が過ぎてWebサイトリニューアルのタイミングで書いたのですが、上記の3つの目的はオープン当初から掲げていました。

これらの目的を達成するために、まず、皆さんが活動しやすいように、年中無休で毎日朝7時から夜23時まで営業しています。例えば、創業支援と言っているのに平日のいずれかの日が定休日というのはビジネス利用としては使いづらいですし、これから起業する人や地域活性化に取り組んでいる人は土日に作業がしたい人も多いと思うからです。

運営から1年半以上が経ちまして、月間利用者数が延べ約2500人と、郊外型のコワーキングスペースとしては日本で最大規模の利用者数となりました。最近では、他地域の県庁や市役所の人からの見学、他企業からの見学、コワーキングスペース運営者やこれから運営しようか考えている人の見学なども多くあります。他の地方都市でも同じような課題があり、コワーキングスペースはその課題解決の一つになるかもしれません。そのような事例としても参考になるよう今後とも頑張って運営していければと考えています。

埼玉県さいたま市という地方都市での郊外型のコワーキングスペースは、例えば東京23区の中心部で展開する都市型のコワーキングスペースとは利用者属性もその役割も少し異なると思います。私達は埼玉県さいたま市という地域性を切り口としてコワーキングスペースを展開していますので、今後とも地域のコワーキングスペースとして利用してもらえるように展開を心掛けていきたいと思います。

今後とも地域に必要とされるコワーキングスペースを目指していきたいと思います。引き続き、コワーキングスペース7Fをどうぞよろしくお願い致します。

コワーキングスペース7Fの取り組みスライド資料(2014年8月26日発表資料)

コワーキングスペース7Fを運営して1年8カ月が経った際にこれからコワーキングスペースを開きたい人や既に開いている人向けに発表した時のスライド資料がありましたので、以下にご紹介します。

星野邦敏プロフィール

1978年11月生まれ。埼玉県さいたま市出身。

中央大学法学部法律学科を卒業後、筋肉が収縮する体の疾患より入院リハビリを行う。その時に趣味でホームページを作り始める。完治後、27歳で税理士法人に入社し、会計・税務・監査の仕事に携わる。

入院リハビリ中から趣味で運営し続けていた複数のWebサイトからの広告収益が税理士法人でサラリーマンとしての給料の数倍に増え、また、大手企業から広告の取引に際して法人でないと取引の稟議が降りないと言われたことから、29歳、2008年1月に、IT関連企業として株式会社コミュニティコムを設立。

異業種のITでの起業だったため、起業当初は東京都北区が運営するインキュベーション施設「ネスト赤羽」内にオフィスを構えて起業しつつITやビジネスについて他事業者との交流などを通じて学び、また、起業当初は時間もあったので東京都北区の商店街との交流もあり若手商店街グループの活動や地域イベントにも参加。赤羽のオフィスが手狭になった後は東京都荒川区西日暮里に会社を移転。

震災後に生まれ育った埼玉県さいたま市に戻り、起業したての人やこれから起業する人、街の活性化の活動をしている人、などが集まれる「コワーキングスペース7F」を大宮駅東口徒歩1分の場所に作る。

WordPressというブログやWebサイトを作るCMSシステムに深く関わり、書籍執筆や講演も多数ある。
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