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7Fの元店長による、2軒のコワーキングスペースで働いて得た事とこれから

こんにちは。2016年12月中旬までコワーキングスペース7Fの店長を務めておりました、山下陽子です。
この記事は、コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダーの23日目の記事として書いています。
山口県周南市のコワーキングスペース「カラム」の堀江さんからバトンを受け取りました。
いろんな人と出会える! 田舎のコワーキングスペース
 
コワーキング Advent Calendarへの参加は3度目になります。

 
私は、転職のため、2016年12月中旬をもって7Fのスタッフを卒業しました。
7Fスタッフ卒業のおしらせ
2017年1月からは、「はるちゃん」こと、船底春希さんに店長職をバトンタッチします!
7F店長交代のおしらせ
転職先は、福岡県のコワーキングスペース「ヨカラボ天神」です。2017年1月から店長を務めます。
 
 

私のコワーキングスペーススタッフ歴

  • 2012年7月〜 地元である神奈川県横浜市の「タネマキ」でアルバイトスタッフを始める
  • 2013年8月〜 「コワーキングスペース7F」でも掛け持ちアルバイトを始める
  • 2014年4月〜 「タネマキ」のスタッフを卒業
  • 2014年5月〜 埼玉県さいたま市に移住し、「コワーキングスペース7F」の店長に
  • 2016年4月・12月 茅場町の「Co-Edo」で1日店長(2回)
  • 2016年12月 「コワーキングスペース7F」のスタッフを卒業
  • 2017年1月〜 福岡県福岡市に移住し「ヨカラボ天神」の店長に

「コワーキングスペース業界の流れ者」の二つ名は私がいただきました。
今回の記事では、これまでのスタッフ経験を振り返ろうと思います。大変個人的な記事になってしまいそうな予感がしています。
一言で言うと、コワーキングスペースで働きだしてからいいことずくめですという内容です。
 
 

タネマキで得たこと

タネマキは、2011年12月にオープンしたコワーキングスペースです。
横浜駅から徒歩8分くらいの場所にあり、席数は20席ちょっとくらい。現在はオーナーが1人で運営しています。お昼休憩があり、12時からの1時間はクローズして、その場にいる人達でご飯を食べに行きます。
私がスタッフをしていた時期は夜の営業もあったので、カクテルを作ったりもしてました。今にして思うと、接客が得意なわけでも仕事の覚えが早いわけでもなく、提案力も無かったので、あまり役に立つスタッフでは無かったなと思っています。
ダメダメでしたが、優しいオーナーの上津原さんや利用者さんのおかげで、とても楽しく過ごすことができました。
タネマキから私のコワーキングスペース人生が始まりました。雇ってくださった上津原さんには感謝しかありません。
「タネマキってどんなスペースなの?」と聞かれることがたまにあります。その時は、「楽しそうな大人がたくさんいるスペースです」と答えています。
心身ともに仕事漬けになること無く、楽しそうに遊んだり、遊ぶように働いたり勉強する大人がいる事を知って、加入当時の私はとても衝撃を受けました。
タネマキには、「モグ雄」というモグラのキャラクターがいます。
私は絵を描くのが好きなので、いろんな所にモグラを描かせていただきました。
タネマキの楽しそうな大人たちは、大人なので技術力や知識や制作欲がありました。そんな方々と一緒にスマホゲームアプリやボードゲームも作りました。

利用者さんからイラストのお仕事をいただくこともあり、私自身もコワーキングスペースの恩恵を受けていました。
タネマキで働かせていただいたことで、狭かった視野が一気に広がりました。
 
 

コワーキングスペース7Fで得たこと

コワーキングスペース7Fは、2012年12月にオープンしたコワーキングスペースです。
大宮駅から徒歩1分の場所にあり、席数は70席ちょっとくらい。2016年12月現在はオーナーと正社員2名、アルバイトスタッフ14名で運営しています。
2016年3月に、1つ下の6階に貸会議室6Fシェアオフィス6Fをオープンしました。
 
週1回のアルバイトスタッフとして加入したときは、すでに働いていたスタッフさんたちの多様なアイデアや工夫が随所に感じられて、スタッフが多いスペースの面白さを知りました。
勤務に慣れてきたころ、問題解決のスピードが遅くなってしまう事が気になり始めました。週1回だと、問題解決への取り組みが勤務時間中に終わらなかった場合、次週に続きを持ち越すか誰かに引き継ぎをしなくてはなりません。引き継ぎをしてみんなでプロジェクトを回すのは良いことなのですが、説明が足りないと意図が伝わりきらないままズレた方向に進んでしまうおそれがありました。
そんな感じで、当時のスペース内には解決を後回しにしてしまった惜しい点がいくつもありました。
店長になったのは、じっくりと問題解決や利用者さんとのコミュニケーションに取り組む人が必要だという確信からでした。
私は当時も特に突出したところが無く、ぼーっとしたスタッフだったのですが、オーナーの星野さんが正社員の店長として雇ってくださいました。本当にありがとうございました。
 
店長になってからは、始めのころはひたすら片付けをしていました。そのおかげで、収納の技術はかなり身についたと思います。
店長就任から2ヶ月経ったころ、「ルールを守って真っ当な使い方をしてくださるお客様を一番大切にしたい」という考えが固まりました。私は、当たり前の事を当たり前にできる人が好きなので、そういう方が自然に集まるスペースをスタッフさんたちとつくりたいと思いました。
それ以来、ずうずうしい人やマナーの悪い人に対して厳しく接することができるようになりました。
当時は、漫画「ちはやふる」の登場人物・かなちゃんの、「『伝える』『伝わる』はルールの向こうにある」というセリフに元気をもらっていました。あのときの自分本位な利用者さんたちのおかげで経験値が上がったので、ありがとうございましたと思っています。
 
スタッフの採用や教育にもたくさん関わらせていただきました。現在のアルバイトスタッフさんは、全員私が店長になってから採用した方です。100人以上の方を面接したので、コワーキングスペース7Fのスタッフに向いている方を見定める目には自信があります。
新人スタッフさん向けの研修をしたことで、私自身も自分の考えやコワーキングスペース7Fの方向性を見直す機会ができて、とても勉強になりました。
すばらしいスタッフさんをたくさん採用することができて、スタッフさんと話をしたり、一緒に働いたり、ご飯やお菓子を食べたりして、みんなのことが大好きになりました。本当に素敵な方ばかりで、学校で勉強していることや、興味を持っていること、海外に行った話や趣味の話など、たくさんの素敵なこと、面白いことを教えてもらいました。スタッフのみなさんのことを考えると元気が出ます。全員、私の大好きな自慢のスタッフさんたちです。
 
業務マニュアルもたくさん作りました。作りすぎて複雑化しているのが現状なので、あとは現在のスタッフさんの手で煮るなり焼くなり好きにしてもらえたらいいなと思います。
会議室6Fとシェアオフィス6Fがオープンしてからは、新しく利用ルールやマニュアルを作って、運営しながら改善を重ねていきました。スペースの立ち上げに関わったのが初めてだったので、とても貴重な経験ができました。
 
そして、ものすごく友達や知り合いが増えました。人見知りだった昔の私に教えたらすごくびっくりするのではと思います。もりもり増えたFacebookの友達欄を見ると名前と顔が一致する方がほとんどなので、本当にみなさまとお知り合いになってるみたいです。コワーキングスペースで働きだしてから、毎日たくさんの方とお話することができました。大切な友人もできました。とても嬉しいです。
私が埼玉や福岡に移住することに何の抵抗も無かったのは、コワーキングスペースが、そういう場所だからです。利用者さんが使いたい時に来てくださって、こんにちは、ありがとうございました、また会う日まで!を繰り返して来たので、大好きな人達と離れてもへっちゃらです。毎日のようにお会い出来ていたスタッフさんや会員さんも、長い長い人生の中の数年間ご一緒できて嬉しかったです、ありがとうございましたという気持ちです。
 
 

これからのコワーキングスペース7F

最近よく行く施設のお手洗いに、ちょっとくたびれたプリザーブドフラワーが飾ってあるのですが、「まるで、私が7Fでやってきた事みたいだなあ」と思いました。
当時は必要だから作ったけど、時間が経つにつれて色褪せてきて、だけど愛着があったりして無くすのが面倒で、手入れもできずそのままにしちゃっている。あるほうが却って手抜きに見えてしまったりして、見る人が見れば無い方が良いことは明確なのに、視野が狭くなってしまっていて、なんとなくあった方が良いような気がしてしまう。
今のスタッフさんには、今必要なものと、そうでないものをしっかり見極めてほしいです。
迷ったら、利用者さんの気持ちに寄り添って考えて判断してください。
 
 

これからのヨカラボ天神

2017年の1月4日から店長として就任します。
まずは、受付業務や運営ルールをスタッフのみなさんに教えていただくことから始めようと思います。
効率化できるところはしたいですが、一見必要なさそうだけど中長期的に見れば必要だったり、別の意図が隠されていることもあると思うので、パッと見の自己判断で決めつけないようにしたいです。スタッフのみなさんとたくさん対話して、一緒により良い空間を作っていきたいです。
私がやるべきことは伺っているので、優先順位をつけながらしっかり取り組んでいきます。
 
 

これから目指したい、良いコワーキングスペース

私はコワーキングスペースめぐりが趣味で、これまでに80ヶ所を超えるコワーキングスペースを利用してきました。
それは、常に運営のヒントを求めていることと、運営だけに集中していると利用者側の気持ちが分からなくなるためです。
あとは、コワーキングスペース運営者の方は楽しい方が多いので、ただお会いしたいから行くこともよくありました。(福岡に移住してしまったので、これからはコワーキングスペースめぐりの頻度が下がると思いますが、今はそういう時期なのだと思います。)
だんだん目が肥えてきたみたいで、良いコワーキングスペースは、入った瞬間分かるようになりました。スタッフさんの気遣いが感じられたり、よく分からないけどワクワクする雰囲気があったりするんです。それは、スタッフさんの丁寧な行いの積み重ねから来ているものだと思われます。
個人的には、コワーキングスペース運営は、見て見ぬふりをし始めたら終わると思っています。
運営者のみなさま、一緒にがんばっていきましょう!
 
ものすごく個人的な日記みたいになってしまいました!
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!!
ヨカラボ天神にぜひ遊びに来てくださいね!
 
明日は、和歌山のコワーキングスペース「コンセント」の平野さんです。
地方都市でも4年間続けられる朝活「朝のファシリテーション勉強会」の作り方