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大宮駅東口の老舗書店「押田謙文堂」3Fにオープンした「ギャラリーサクラモヒラ」の初イベントの取材をしました!

ガテマラの雑貨

こんにちは!大宮経済新聞ライターの川又です。11月15日に大宮の老舗書店「押田謙文堂」さん3階にGallery Sakura Mohila (ギャラリーサクラモヒラ)がオープンし、早速取材させていただきました。

 

オープン記念として「途上国からの贈り物 素敵なものマーケット」と題して第1回のイベントが開催されました。記事ではお伝えしきれなかったことをここでご紹介します。

大宮経済新聞の記事はこちら。
大宮の老舗書店に「ギャラリー サクラ モヒラ」 途上国支援イベントや常設ショップhttps://omiya.keizai.biz/headline/1138/

 

 明るい26坪のスペースに常設ギャラリー兼ショップがオープン!!

ガテマラの雑貨
ガテマラの雑貨

 

イベントではバングラディシュ、グアテマラ、ネパール、ホンジュラス、カンボジアなどの国々から素敵な雑貨や服と、おいしいコーヒーが紹介されました。「出展者の方々は、他のお仕事をしながら途上国支援もしている女性がほとんど。支援する方々が報われる場を作りたい」とサクラモヒラの平間さんは話します。

 

サクラ モヒラ

バングラディシュの農村の女性たちを支援するプロジェクト「サクラ モヒラ」は約25年前からバングラディシュに小学校を建設、農村の女性に刺しゅうの技術を教え雑貨を作り、日本で販売するなどの活動を行っています。
 
刺しゅうを縫う女性が自ら図案をデザインするので、刺しゅうの小物たちには一つ一つ作り手の紡ぐ物語のカードが付いています。「まっすぐ縫うことは重要ではない。楽しさを心掛けている」と平間さんは言います。小物たちからは確かに作り手の女性たちが楽しんで作っている様子が伝わってきます。
 

作り手の思いの詰まった楽しいポーチ
作り手の思いの詰まった楽しいポーチ

 

「途上国には手仕事や天然素材で作られた本物の布があり、それらを紹介するイベントを開催したかった」と平間さんは話します。

ギャラリーにはカディコットンで作られた服や下着も並び、とても着心地がよさそうでした。カディコットンとは綿花から手つむぎで糸を紡ぎ、その糸で手織りで織り上げた木綿の布のことをいいます。夏は涼しく、冬はぬくもりを感じる風合いのよい生地です。

 

 パシュミナのセーターも置いてあり、触ると暖かい空気に包まれるようで軽くて触り心地もよかったです。パシュミナとはヤギのあご下の毛のことをいうそうです。

 

ヒマラヤン シバ トレーディング ハウス

ネパールの女性たちの手で糸を紡ぎ、織りあげられたネパールカーペットも紹介していました。1959年チベット統合の際に手織り職人の多くがネパールに移住し、スイスが彼らの保護のためにネパールカーペットを輸入してからヨーロッパで広まり注目されるようになったとセールスマネージャーの出口さんが教えてくださいました。

 

このカーペットはもとは緞通(だんつう)系の織物(緞通はたて糸2本にパイル糸を結び付けて切る織物)でしたが、ヨーロッパやアメリカへの輸出が多く、その土地に合わせて作るため、現在ではデザインも洗練されているそうです。北欧のようなデザインのラグもあり、きれいな色合いのモダンなラグマットに感動しました。

ネパールカーペット
ネパールカーペット

置いてある商品はラグマットやリビングマットが中心です。日本では、別荘地では大きなサイズの敷物のオーダーもありますが、もともと敷物文化の生活様式が無いため、一番人気があるのは一畳サイズの玄関マットだそうです。

 

同団体ではさいたま市内の幼稚園の保護者たちの依頼で、卒園記念に子ども達が描いた絵をもとにして「世界にひとつだけ」のラグマットを制作するオーダーも受けており好評だそうです。

子どもの絵を世界に一つのラグマットにする
子どもの絵を世界に一つのラグマットにする

納期まで3~4カ月必要になりますが、オンリーワンのラグを制作できるのは素敵ですね!幼稚園に限らずこどもの小さい頃の二度と描けない絵をラグにしたり、プロの画家の方の作品をタペストリーにしたりとさまざまなオーダーに対応しているそうです。

 

特定非営利活動法人 幼い難民を考える会 (CYR)

1980年に発足し、30年以上にわたりカンボジアで幼稚園開設と運営、伝統文化(ピダン)の復興と保全活動を行っている「特定非営利活動法人 幼い難民を考える会」による雑貨の販売です。藍染のストールの藍色のグラデーションはとても美しく、癒されます。藍染やほかの草木染の雑貨も並びます。

カンボジアのきれいなショールとネックレス
カンボジアのきれいなショールとネックレス

 

同会では、内戦の混乱の中で職人がいなくなり途絶えそうになった伝統文化ピダンの技術を次の世代に継承しようと、草木染めと織りの技術指導をしているそうです。

 
ピダンとはシルクで織られた綾織の絵絣の織物のことで、ピダンはカンボジア語で「天井」を意味し、仏教寺院の装飾に用いられ、仏像の頭上や背後、天井に飾られます。内戦前は人々は無病息災を願いお寺にピダンを奉納したり、行事の際に家に飾ったりしたそうです。
 

見た目は繊細な織物ですが触ってみると裏打ちがされていてしっかりとした感触でした。

カンボジアの絹の絵絣ピダンの壁かけ
カンボジアの絹の絵絣ピダンの壁かけ

 

ボランティアの野口さんがピダンやカンボジアのことについて丁寧に説明してくださいました。カンボジアの高い絵絣の技術と染色された生地の色合いの美しさに目を奪われました。

 

青い空の会

グアテマラで就学支援・女性の自立支援を続けて20年となる「青い空の会」。グアテマラ政府公認の観光ガイドでもある代表の白石さんはグアテマラ在住です。

美しい刺繍で作られたガテマラのポーチ
美しい刺繍で作られたガテマラのポーチ

 
民族衣装を使ったグリーティングカードは、グアテマラにゆかりの深い本谷さん(慶應義塾大学教授 文化人類学 民族服飾学)が始めた今年6月に噴火したフエゴ火山の被災者支援プロジェクト「Mision Corazones(ミシオン・コラソネス)」で、避難所の女性たちが作るハートのオブジェとセットで販売され支援につながっています。

畑仕事を終えた女の子たちが作業所で作り出す刺しゅう、帯、ポーチやビーズの雑貨はどれもカラフルでグアテマラの太陽を感じるような品々でした。

 

白石さんはグアテマラの子ども達が遠くから笑顔で駆け寄ってくれる。みんなの笑顔が忘れられずグアテマラにまた帰りたくなるのだといいます。


 

Puntalto-プンタルト

プンタルトではホンジュラスの小規模農家が生産した希少なスペシャルティ―コーヒーを紹介していました。

店主の高橋さん
店主の高橋さん

プンタルトという言葉は造語で、店主の高橋さんの名前からとって、スペイン語で橋はPuente、高はAlto。またコーヒーの品質のいいものは点数をとるのでPunto(=点)の意味も込めてPuntaltoと名前を決めたのだそうです。
 
高橋さんは中米に7年半滞在し、縁あって、ホンジュラスのコーヒーに魅せられました。ホンジュラスにも美味しいコーヒーがあることを日本の人たちにもっと知ってほしいと高橋さんはいいます。現地の小規模農家から、小ロット生産で手間をかけて育てたコーヒーを適正な価格で購入し販売することで、農家も潤い、また彼らのモチベーションも高められます。プンタルトの扱う豆は国際審査員によるCOE(カップ・オブ・エクセレンス)基準で80点以上を得点した頂点の5%以内の希少なスペシャリティコーヒーなのです。高橋さんは小さくてもホンジュラスとの「架け橋」でありたいと願っています。
 
ホンジュラスのコーヒーの味はマイルドで万人受けするおいしさが魅力。試飲してみましたが確かに何杯でも飲めそうな飽きの来ないおいしさでした。プンタルトのコーヒーのパッケージの後ろにはその豆を育てた小規模農家の農園の名前が入っています。まるでワインのドメーヌ(生産地)のようです。私も3つのドリップバッグのセットを購入して飲み比べてみましたが、味が農園によって異なり面白かったです。こういうコーヒーの飲み方は初めてで印象に残りました。ごちそうさまでした!
 
プンタルト
プンタルト

 

これからのギャラリー サクラ モヒラ

平間さんは今後、ギャラリーで常設ショップとレンタルスペースのほかに自然環境や途上国の歴史、手仕事が学べるレクチャーを開催していくことを検討しているそうです

ギャラリー サクラ モヒラ
http://www.sakuramohila.com/inquiry/inquiry.html
 
ご紹介した出展者
ヒマラヤン シバ トレーディングハウス
http://www.himalayan-shiba.jp/

幼い難民を考える会
http://www.cyr.or.jp/

青い空の会
http://www.geocities.jp/aoisora_gj/

Puntalto
https://www.puntalto.com/