伊奈町にオープンした「NOG COFFEE ROASTERS 伊奈町」を取材しました!

こんにちは。
大宮駅東口でコワーキングスペース7F(ナナエフ)を運営する株式会社コミュニティコムによる地域メディア媒体「大宮経済新聞・浦和経済新聞」のライター・矢島です。

4月1日、さいたま市のご近所に「NOG COFFEE ROASTERS(ノグコーヒーロースターズ)伊奈町」がオープン!オープンから2カ月を迎えたお店を、大宮経済新聞で取材しました。

大宮経済新聞の記事はこちら
伊奈町に「ノグコーヒーロースターズ」 工務店をリノベーション
https://omiya.keizai.biz/headline/1735/

コワーキングスペース7F(ナナエフ)がある大宮からは少し距離がありますが、ゆったり過ごせる広々した空間はオフの日のドライブにもおすすめ。本編記事でご紹介しきれなかったこぼれ話やお店の様子を、編集後記としてご紹介します。

工務店をリノベーションした開放的な店内

外が気持ちよく眺められる大きな窓の向こうにはテラス席も

本編記事でもご紹介した通り、こちらは「猪狩工務店」の1階をリノベーションしたお店。雨天にも対応した透明の屋根が設えられたテラス席に加え、隣には駐車場もあり、郊外店舗ならではの佇まい。

元は事務所や作業場だったという店内は、広々とした空間が印象的です。内装はもちろん、テーブルや椅子、什器なども同工務店が手掛けたということで、さながらショールームのような雰囲気も漂います。

大きな窓から外が見られるテーブル席に、大人数でもゆったり過ごせるベンチシート、奥には個室感の溢れるソファ席も。

子どもたちの様子を見守れる位置にソファ席も

店内の一角に設けられた子どもたちのためのキッズスペースは立派なテントが建てられ、まるで秘密基地のよう。

座る場所によって見える風景も大きく変わり、さまざまな過ごし方ができそう――その印象通り、取材中もお友達同士でやってくる方や赤ちゃんを抱っこしたおひとり様のママ、年配の男性……と、来店する客層も非常に幅広く、早くも地域の日常に根づきつつある様子がうかがえました。

この店舗に秘められた思いとミッション

代表の野口さん

「NOG COFFEE」は東京・埼玉に既に3店舗ありますが、なかでも伊奈店はこの広々した空間を活かし、カウンターもたっぷりと面積を確保したといいます。

いくつか理由はありますが、そのうちの一つについて代表の野口さんはこんな風に語ります。
「私たちのメイン事業はBtoBのビジネス。コーヒー関連機材の輸入や販売などに至っては、かなり種類も増えてきました。そこで、この店に自分たちが扱う機器の使い心地などを検証する役割も持たせたい、と考えています」。

現場で稼働させることで生じるトラブルや必要となるメンテナンスに、気づきを得ることも多いのだそう。

こうして現場で得られた知見が、同社が扱う機器を導入するたくさんのお店へと活かされていく――その先には、野口さんたちが描く「美味しいコーヒーをもっと普通に」楽しめる世の中が待っていると思うと、ワクワクせずにはいられません!

カウンターデザインにもコーヒーを前面に打ち出したいという思いが

さらに……この店舗では、「我々はコーヒー豆屋である」というスタンスを強く打ち出したいともいいます。

「フードを一つの入り口に、コーヒーに出会ってほしい――そんな思いで、品川店ではあんバターワッフル、浦和店ではロータスチーズケーキなど各店舗ならではのフードメニューを見栄えにもこだわりながら用意してきました。その甲斐あって多くのお客さまに足を運んでいただいていますが、結果として『カフェ』という見え方が濃くなるんですよね。が、あくまでも自分たちの軸はコーヒー。だからこの店では、例えばカウンター周りの見せ方もより色濃く『コーヒー』を打ち出すことに意識を向けましたし、フードメニューもあえて最小限にしました」。

以前の取材でも、「目的は『自分たちの店を増やすこと』ではなく、『わざわざコーヒー屋さんを見つけて歩かなくても、おいしいコーヒーが飲める世の中を作ること』」と語っていた野口さん。伊奈店が単体でブレイクすることではなく、もっと根っこにある思いを貫く姿勢が印象的です。

▼1年半前に取材した際の編集後記はこちら

とびきりおいしい一杯を手軽に。接客を楽しく丁寧に。

バリスタがかかりきりになるハンドドリップも、マシンの力を借りれば3杯並行して抽出できる

その姿勢は、伊奈店に導入した機器にも。本編記事でご紹介した通り、このお店では、日本初導入となるオートドリップマシン「Brewvie」を3台設置。コーヒー豆の種類ごとに湯量や抽出スピードなどが予め細かく設定でき、ボタン一つでバリスタによるハンドドリップと同等のコーヒーが手軽に淹れられるのだそう。

野口さんが淹れたラテ

少し話は変わりますが、以前の取材でNOGのコーヒーのおいしさに驚いた私。それ以来、こちらのコーヒー豆をサブスクで購入しているのですが、やはり自分でドリップすると腕が足りず「お店には届かないなぁ」と思っていました。ところが、Brewvieで淹れた一杯を試飲したところ、ちゃんと、格段においしい!ただ淹れるのではなく、プロの味が忠実に再現されていることがよくわかります。

さらに、エスプレッソに至っても、様々な工程にそれぞれの機械の力が。

「これって、例えば未経験の私が今淹れます!と言っても野口さんと大差ない味わいに仕上がるってことですか?」と尋ねてみると、「そうですそうです、やってみましょう」と、なんと急遽バリスタ体験まで……!そして仕上がったドリンクは、きちんと上質な味わいに!

浸すだけで手軽にコーヒーが淹れられる「ディップバッグ」はコワーキングのおともにピッタリ

誤解を恐れず言ってしまえば「機械の力を活用して誰でもおいしいコーヒーが淹れられる」。けれど、それが「=機械に頼り切っている」ことを意味しないのだとわかるお話も次々と。

例えば1ヵ月に数回、その時々の豆のコンディションや機器の状態を確認しながら、熟練したバリスタがレシピを調整しBrewvieの設定を見直していること。

あるいはこんなお話も。「機械1台、ボタン1つで豆から抽出まで完結できるフルオートマシンもありますよね。でもどうしても設定に限界があるんです。そのためNOGでは、より細かく設定ができる各工程ごとの専用機器を組み合わせています。ある機器で一工程終われば、次の工程の機器に移すときには人の手が必要ですが、この『セミオートメーション』がコーヒーの味とオペレーションの効率化を両立してくれるんですよね」と野口さん。

豆の種類に迷ったら、ぜひバリスタに相談を。試飲して決めることもできる

機械で効率化されたことによってカウンターに立つバリスタにも余裕が生まれ、丁寧な接客が実現できているともいいます。

「今の時代、オーダーから受け取りまで誰とも話さずスマホ一つで超スピーディーに完結することもできる。その気になれば私たちももっと効率化することはできます。ただ、それってお客さまにとってもバリスタにとっても『作業』であり、本来私たちが実現したい世界観とはちょっと違うんです。コーヒーを受け渡すときにバリスタと交わす、たった一言二言の会話も含めて、コーヒーの楽しさでありおいしさだと思うので」。

猪狩工務店の1Fが店舗。手前の小さな扉には同工務店が運営する駄菓子屋も。

それぞれの店舗ごとに全く違う表情と試みを見せてくれる「NOG COFFEE ROASTERS」。伊奈店独自のワークショップが企画されたり、隣に猪狩工務店が運営する駄菓子屋さんがあったりと、この地ならではの面白さが早くも漂っています。

「この場を通じて、コーヒーとともに町に新たなエンターテインメントを届けられたらいいですね」と話す野口さん。新たな街でどんな展開を見せてくれるのか、とても楽しみです。

NOG COFFEE ROASTERS 伊奈町
埼玉県北足立郡伊奈町小室2268−145 1F
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