自然栽培の在来種野菜が楽しめるさいたま市西区の居酒屋「ほどほど屋 エイト」5周年イベントを取材しました

5周年記念の顔出しパネル

こんにちは。コワーキングスペース7Fスタッフで大宮経済新聞ライターの山田です。

先月2018年9月に5周年を迎えたさいたま市西区の居酒屋「ほどほど屋 エイト」を取材してきました。

▽その記事はこちら。
さいたま市の居酒屋が5周年 在来種の自家製野菜や手作り調味料にこだわり

自分たちの畑で肥料や農薬を使わずに自然栽培する在来種の野菜や、天然物の魚、在来種のそばの実を石臼でひいて作る十割そばなど、こだわりメニューが人気の同店。この編集後記では9月8日に行われた5周年イベントの様子と、記事には載せきれなかったエピソードをお送りします。

 

5周年イベントは大盛況!

5周年を控えた9月8日、お店では記念イベントが開かれました。顔出しパネルも準備万端! パネルの下にあるのは、そばの実などをひくのに使われている石臼です。
5周年記念の顔出しパネル

 

当日は12時のオープン前から行列ができるほどの大盛況。店内の座敷スペースではたくさんのお客さんが、購入したおにぎりやパン、お菓子をほおばっていました。
おにぎりをほおばる親子

 

座敷の隅ではこんな微笑ましい光景も……。
座敷の隅で寝る赤ちゃん

 

この日「ほどほど屋 エイト」は、おにぎりとドリンク、調味料を販売。
「ほどほど屋 エイト」のおにぎり

 

こだわりの自家製調味料は左から、粒マスタードの「黄金(KOGANE)」、自然栽培の青唐辛子と米麹・木樽仕込みのしょうゆを使った三升漬「おさんしょさん」、たまねぎドレッシングの「女郎花(OMINAESHI)」。
「ほどほど屋 エイト」の自家製調味料
私は粒マスタード「黄金(KOGANE)」を買って帰りましたが、プチプチしてとてもおいしい! ソーセージに添えて食べていると、いつの間にか粒マスタードだけを単品で口に運んでしまうほどです。(あまりお行儀は良くないですね……笑)

 

この日は他にも同店おすすめの出店者が並びました。大人気でオープン早々に品薄となっていたのは、川口市で自家製酵母パンの販売と教室を営むヘブンズテーブル
ヘブンズテーブルのパン

 

こちらも大人気だった焼き菓子のguchi
焼き菓子のguchi

 

ラム(羊)の形のラムレーズンサンド。かわいい……!
guchiのラムラムレーズンサンド

 

酒器を中心とした陶器を販売していたのは、「モクモクコーヒー オカザキ」の近藤さん。
モクモクコーヒー オカザキの器
もともとほどほど屋 エイトの常連客だったという近藤さんは、奥様が営む飯能のモクモクコーヒーと同じ場所で作陶されています。

 

こちらは自然素材の糸や布、染料を使ったブローチとコースターを販売していたRIRI TEXTILE
RIRI TEXTILEのブローチ

 

この他、那須からドライフルーツのVamos、広島県尾道市からチョコレートのUSHIO CHOCOLATLが出店。
Vamosのドライフルーツ

 

イベントに来場していた人も出店していた人も、みなさん口を揃えて「ほどほど屋さんの食べ物はおいしい!」と言っていたのが印象的で、愛されているお店であることを感じました。

 

「ほどほど屋 エイト」の名前に込めた想い

そんな「ほどほど屋 エイト」を営むのは、店主の「かずさん」こと高山和洋さんと、副主の「まぁちゃん」こと真純さんご夫妻。自分たちの畑を持ちたいと、東京からこの場所へ引っ越してきたそうです。
高山さん夫妻

 

副主の真純さんに、お店の名前の由来をうかがいました。

まだ私たちが結婚する前に遡ります。
私たちが将来、独立したいと考えていたコトを知り、 主人の勤務先の上司が、

「常連さんで、お店を辞めてしまう方がいる。居抜きで貸せると話しているから、見るだけ見てきたらどうだ。」

との話を下さいました。

物件を見に行って、気に入ったものの、手が届かない現実に直面し、2人で本気でお金を貯めるコトを決意しました。
その居抜きの話を持ちかけてくれた常連さんのお店の名前は「ほどほど」さん。
夫婦で33年間続けて来られたお店を、奥さんの体調不良を機に止む無く畳むコトに。
私たちはその意思を勝手にだけど継いで行きたい。

それが、私たちのお店を始めるための、そして、結婚するきっかけとなりました。

エイトの意味は、漢数字「八」で末広がり。横にすると無限大∞。
良いコトが長く続くようにという願いを込めています。

でも、エイトだけでは、他店と区別がつかない。
ならば、原点でもあるほどほどさんから名前を頂いて、屋号にしよう!
というコトで「ほどほど屋 エイト」が誕生しました。
いつかどこかで、私たちがまだ頑張っているという姿をほどほどさんに気づいてもらえるよう、自己紹介は、ほどほど屋です、と挨拶するようにしています。

私たちの持論は80%全力投球。人は無理しちゃ行けないからほどほどに。
後付けではありますが、そこにエイトが懸かってくれています。
頑張りすぎてしまった時、この名前に私たちも救われています。

「ちょっと変わった名前だけど、由来は何だろう?」とさりげなく聞いた質問でしたが、「ほどほど屋」にも「エイト」にもそんな意味が込められていたと知り、ますますいいお店だなぁーとファンになってしまいました。

 

これからの目標

真純さんに、これからの目標ややりたいことについてもうかがいました。

指扇のこの通りを昔の商店街のような賑わいのある親しみやすい通りにしたいです。
私たちが幼少の頃は、周りの大人たちがいろいろなことを教えてくれました。
今は、隣近所を把握するのも精一杯。
昔の寄り合いのような、誰でも気軽に出入り出来る場所に。
そして、安心安全な食べ物を当然に。
子供たちに何が残せるのかを考えながら、ひとつひとつ向き合って形にしていきたいと思います。

お店の看板に書かれた「食べなくても呑まなくても良いから寄ってって! 少しだけ話をしませんか??」というメッセージにも、真純さんの「昔の寄り合いのような、誰でも気軽に出入り出来る場所に」という想いが表れているようです。
「ほどほど屋 エイト」の看板

 

取材中、質問すると「あー、それは話すと長くなっちゃうんだけど……(笑)」なんて言いながら笑顔で答えてくださった和洋さんと真純さん。食べ物に対する真摯なこだわりとお二人の人柄に、人気の秘密を垣間見ることができました。

おいしい料理とお二人のおしゃべりを楽しみに、ぜひ足を運んでみてください!

ほどほど屋 エイト
埼玉県さいたま市西区高木133−12
営業時間:昼=11時~15時(ラストオーダー14時)、夜=17時~23時(ラストオーダー22時)。昼の営業は火曜・水曜のみ。木曜定休。